にゅうた動物病院コラム

犬と猫の糖尿病とは?|よく水を飲む、よくトイレをするのは病気のサインかも

犬と猫の糖尿病とは?|よく水を飲む、よくトイレをするのは病気のサインかも

糖尿病は、人間では七大生活習慣病の1つとされていて、犬や猫でも発症します。
糖尿病と聞くと不安に感じる飼い主様も多いと思いますが、しっかりと愛犬や愛猫の体調を記録して上手くコントロールができれば寿命を伸ばすことができ、大切なご家族と一緒に過ごせる時間を増やすことができます。

今回は犬や猫の糖尿病について、症状や原因、治療法、当院の取り組みについて解説します。



目次
1.よくみられる症状について
2.糖尿病の原因|糖尿病は2種類に分けられる
3.糖尿病の治療について|適切なインスリンの投与が重要
4.糖尿病を予防していくためには
5.最後に

1.よくみられる症状について


犬、猫ともに糖尿病でよくみられる症状として、脱水を原因とした飲水量の増加とそれに伴う尿量の増加があります。
これは糖尿病の初期から目にする変化です。
食欲は初期では非常に旺盛ですが徐々に減少し、それに伴って体重が減少したり、元気がなくなっていったりします

また、糖尿病性白内障と呼ばれ、目の水晶体が白く濁る変化も現れます。

さらに重度な症状として、糖尿病性ケトアシドーシスがあります。食欲の廃絶(全くなくなること)や嘔吐、脱水などから意識障害などに発展することがあり、入院での迅速な治療が必要です

 

2.糖尿病の原因|糖尿病は2種類に分けられる


糖尿病は大きく、Ⅰ型糖尿病Ⅱ型糖尿病の2種類に分けられます。

Ⅰ型糖尿病では、自分の体内でインスリン(血糖値を下げ細胞に糖分を取り込むホルモン)を分泌できない病態です。

Ⅱ型糖尿病では、インスリンの分泌能力はあるものの、十分にそれが機能しない結果、高血糖状態を維持するものを指します。

犬ではⅠ型糖尿病が、猫ではⅡ型糖尿病が多いと言われています
また、犬ではオスよりメスで発症しやすく、猫ではメスで肥満傾向にある場合に発症リスクが高くなります

 

3.糖尿病の治療について|適切なインスリンの投与が重要


犬と猫の糖尿病では、ほとんどの場合、生涯にわたっての治療が必要です。ただし、猫ではまれに治療が必要でなくなるケースもあります。

治療では、上がりすぎている血糖値のコントロールをするために、インスリンの投与による血糖値のコントロールと脱水症状がみられれば脱水の改善を行います

インスリンの分泌が十分ではない場合は、これを補う必要がありますが、インスリンはただ投与をすればよいわけではなく、適切な量を適切なタイミングで投与することが大切です
また、インスリンには持続時間が異なる様々なタイプがあります。愛犬や愛猫の状態と飼い主様のライフスタイルに合わせて選択していくことが重要なため、当院ではインスリンの種類を十分に揃え、その子に合うものを選択し、適切な量を適切なタイミングで投与しています

脱水がある場合は、脱水症状を起こしたままだとインスリンの投与をしても血糖値を十分に下げられない可能性があるため改善を行っていきます。

さらに、血糖値をコントロールしやすくするために、食事内容や食事量、食事の時間などにも注意を配りながら治療を続けていきます

当院では状態によっては血糖値の細やかなモニターをするためにフリースタイルリブレ(持続的に血糖値を測定できるポータブル機器)を導入し、こまめに血糖値の測定と記録を行うことがあります。
血糖値管理に有効な方法となるので、詳しくは獣医師にご相談ください。
しっかりと記録をして適切に管理をしていけば長生きできる可能性を高めることができるため、そのサポートができるように取り組んでいきます。

 

4.糖尿病を予防していくためには


犬や猫の糖尿病の予防のためには、肥満にならないようにしたり、ストレスをためないようにしたりすることが大切です
そのため、適切な食事管理や体重管理、適度な運動が結果として糖尿病の発症リスクを低下させることに繋がります。まずはその一歩として毎月の体重測定糖尿病の特徴的な症状である多飲傾向、多尿傾向が出ていないかの観察をしてみるとよいでしょう。毎月体重を測ることや日々の様子を観察することによって愛犬や愛猫の状態も把握でき、健康を守っていくモチベーションにつながるためおすすめです。

また、膵炎や副腎機能異常などの他の病気から糖尿病を合併することがあるため、日頃から健康診断を受けることも有効な予防法です

当院の健康診断についてはこちらの記事でも解説しています。
定期的な健康診断①
定期的な健康診断②「身体検査について」
定期的な健康診断③「血液検査について」
定期的な健康診断④画像検査(レントゲン検査・エコー検査)

 

5.最後に


犬や猫の糖尿病は完治が難しい病気ですが、管理を適切に行っていくことで、重篤な合併症の発症や糖尿病性ケトアシドーシスへの移行を防ぎながら、大切なご家族と一緒に過ごす時間を増やすことができます。
当院では犬や猫の糖尿病の治療に力を入れ、血糖値の測定ができる機器を導入し、その子に合った治療ができるよう心がけています。

獣医師から指示されたインスリンをご家庭で注射する場合、できるだけ同じ時間帯にインスリンの投与を行うなど、いくつか守っていただきたいポイントがあります。詳しい注射の方法などは獣医師から丁寧に説明いたしますので、ご安心ください。
また、飼い主様が外出などの用事がありインスリン投与ができない場合などでは、当院でお預かりをして看護するようなサポートも行っております。
飼い主様と一緒に病気のケアができるようサポートができればと思いますので、少しでもお困りのことがありましたら当院までご相談ください。

しかし、飼い主様にとっても愛犬や愛猫にとっても1番よいことは、そもそも病気にならないことだと思います。日々、愛犬や愛猫の状態をしっかりと観察する、定期的な健康診断を受けることで早期に病気の発見をしたり、他にも適度な運動や適切な食事量を維持したりすることで病気の予防を行い、大切なご家族の健康を守っていきましょう。

 

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