にゅうた動物病院コラム

犬のレッグ・カルベ・ペルテス病|1歳未満の犬に多く見られる病気

犬のレッグ・カルベ・ペルテス病|1歳未満の犬に多く見られる病気

レッグ・カルベ・ペルテス病(ペルテス病やレッグ・ペルテスともいいます)は、1歳未満の若い犬に多く見られる疾患で、特に小型犬での発生が多いといわれています。この病気の主な特徴は、後肢に負荷をかけることが難しくなり、その結果、歩行に異常が現れることです。

本記事では、犬のレッグ・カルベ・ペルテス病の症状、原因、治療法、その予防や対策について、詳しくご説明します。

■目次
1.よく見られる症状
2.原因
3.治療について
4.日常での注意点や予防
5.最後に

1.よく見られる症状


レッグ・カルベ・ペルテス病によって引き起こされる主な症状は、足をかばう歩き方や患部の痛みです。影響を受けた肢をかばい、歩行時に不安定さが見られることが多く、場合によっては肢を全く使わなくなることもあります。

症状が進行するにつれて、患部に触れられることを嫌がるようになり、痛みのために散歩や活動を避けるようになることがあります。
また、筋肉量の減少や肢の使用不足による萎縮が見られるようになります。

 

2.原因


レッグ・カルベ・ペルテス病は、大腿骨頭の血行不良によって引き起こされる病気です。主に小型犬で見られ、大腿骨頭の発育不全が一般的な原因です。

遺伝的な要素に加え、外傷や発育の遅れも関与することがあります。多くの場合、特に1歳未満の若い犬に発症することが一般的です。
また、トイ・プードルやポメラニアンなどが特に影響を受けやすい犬種ですが、他の犬種でも発症する可能性はあります。

 

3.治療について


レッグ・カルベ・ペルテス病の治療は、症状の重さに応じて異なり、内科治療外科手術の二つに分けられます。
軽度の症状であれば、痛みや炎症を和らげるための鎮痛剤や抗炎症薬を用いた内科治療が行われますが、これはあくまで症状の緩和に重点を置いた治療であり、病変そのものの治療ではありません。

一方、症状が進行した場合や病変が顕著である場合には、外科手術が推奨されます。手術では大腿骨頭切除術が行われ、病変部を取り除くことで痛みを軽減し、動きを改善します。大腿骨頭を切除すると歩けなくなるのではと心配される飼い主様がいらっしゃいますが、この手術により、偽関節という関節に似た仕組みを周辺の筋肉組織で構築するため、結果的に体重を支え、通常の活動を再開できるようになります。

治療法の選択は、獣医師の診断と飼い主様の状況を考慮して決定します。重要なのは、早期発見と適切な治療により、愛犬の生活の質を向上させることです。
加えて、時間が経ちすぎると筋肉の萎縮が強くなり筋肉量の回復までに時間がかかるようになるため、早期の手術が理想的です。

 

4.日常での注意点や予防


レッグ・カルベ・ペルテス病の発症を完全に防ぐ方法は現在のところ確立されていません。
症状が悪化して筋肉が減少すると、術後のリハビリ期間が長引く可能性があるため、早期発見と早期治療が重要です。
愛犬の歩き方に違和感がある場合や、足に痛みを感じている様子があれば、すぐにご相談ください。

 

5.最後に


レッグ・カルベ・ペルテス病は生後半年齢以内に発症することが多い病気です。
多くの場合外科手術を必要としますが、早期に適切なケアが行われれば、その分回復にかかる時間を短縮することに繋がります。愛犬の健診時に、些細な事でも気になることがありましたら遠慮なくご相談ください。

 

当院の健康診断についてのご紹介はこちらから
歩き方がおかしい、痛そう、これって病気? ~犬と猫の関節に症状が現れる疾患について~
健康診断の重要性
定期的な健康診断
定期的な健康診断②「身体検査について」
定期的な健康診断③「血液検査について」
定期的な健康診断④画像検査(レントゲン検査・エコー検査)

 

にゅうた動物病院|相模原市 相模大野・東林間の動物病院
診療内容についてはこちらから

 

 

  • にゅうた動物病院コラム
  • ブログ
  • 公式インスタグラム
  • LINE
  • 動物ナビ
トップに戻る