にゅうた動物病院コラム

愛犬が避妊手術を受けた後に気を付けるべきこととは?

愛犬が避妊手術を受けた後に気を付けるべきこととは?

避妊手術とは、メスの卵巣や子宮を取り除く手術のことで、望まない妊娠や性ホルモンが関わる病気(乳腺腫瘍や子宮蓄膿症)などを防ぐために行われます。とはいえ、健康な若い犬に対してメスを入れるため、術後の生活を不安に思われる飼い主様もよくいらっしゃいます。

今回は、愛犬が避妊手術を受けた後に気を付けるべきこととして、手術直後の注意点や食事の管理方法とともに、動物病院を受診する目安についてお伝えします。
手術を受けようか迷っている、あるいは手術は決めたものの術後どういったことに注意すればいいのかわからない、といった飼い主様はぜひ参考にしてください。



■目次
1.手術直後の注意点
2.食事について
3.こんな様子がみられたら要注意!
4.おわりに

 

1.手術直後の注意点


避妊手術は一般的にお腹を開いて卵巣や子宮を取り出すので、直後には痛みがあり、傷も完全にはふさがっていません。急に激しく動くと傷口が開いてしまうおそれがあるので、2日ほどはご自宅のケージやサークル内で安静にしていただくのがベストです。

その後は少しずつ回復していくため、その程度に応じて家の中を歩かせたり、お散歩に連れていったりしましょう。じっとしているばかりより、少し動いた方が傷の治りもよくなります。
シャンプーについては傷口が完全にふさがるのを待ち、手術後2週間は控えましょう

 

2.食事について


避妊手術後の食事管理は、愛犬の健康を維持する上で非常に重要です。
手術によって卵巣や子宮を取り除くと、体が必要とするカロリー量が自然と減少しますが、同時にエストロゲンというホルモンの分泌減少によって食欲が増すことが知られています。そのため、手術前よりもごはんのカロリーを減らすことを意識しましょう。

具体的には、
手術前の70%くらいに抑える必要があるため、術後1カ月くらいかけて徐々にカロリーを減らしていき、1~2カ月ほど経ったら動物病院を受診し、きちんと体重管理ができているか、適切な体型かどうかを獣医師に直接チェックしてもらうことをお勧めします。
その際の注意点として、手術前後でごはんの種類を変えた場合は、1グラムあたりのカロリーが違ってくるので、グラムではなくカロリー量で比較しましょう。
また、ごはんの量を減らすとお腹が減ってしまう場合は、腹持ちがよくなる野菜類(大根、おから)などをごはんに混ぜてもらうよう、アドバイスすることもあります。

 

3.こんな様子がみられたら要注意!


手術直後はぐったりとしているので心配されるかもしれませんが、2日ほど安静にしていただければ徐々に元通りに回復することがほとんどです。
ただし、術後のストレスやお薬の副作用などで、下痢や嘔吐がみられたり、食欲がなくなったりするケースもあります。そういった場合には動物病院までご相談ください。

また、手術から3〜4日以上経っても痛がって元気がなかったり、傷口が開いて出血したりする場合には、早めに動物病院を受診しましょう

余談ですが、避妊手術をすると性格が変わるといわれることもありますが、基本的な性格の変化はおこらないので、ご安心ください。

 

4.おわりに


避妊手術は「手術」ですので、ある程度の傷や痛みを伴います。また、術後はごはんの量や種類を調整しなければすぐに太ってしまいます。こうしたデメリットや術後の注意点は少なからずありますが、避妊手術はたくさんのメリットがあることも事実です。

具体的には、子宮蓄膿症や腫瘍(卵巣、乳腺、子宮など)の発生を未然に防いだり、尿によるマーキングや発情期の放浪行動といった問題行動を改善したりする役割があります。

特に腫瘍は、発生してしまうと治療が困難になることが多いので、早めの手術が推奨されます。

愛犬との長い時間を健康に、そして幸せに過ごすために、避妊手術の実施を積極的にお考えいただくことをお勧めします。手術やその後のケアに関して不安や疑問があれば、どうぞ遠慮なく当院にご相談ください。

 

■避妊手術に関する記事はこちらで解説しています
犬の避妊手術とは~女の子のわんちゃんを迎える飼い主様へ~
予防医療の重要性について ~身近なワクチン接種・ノミやマダニの駆除・フィラリア予防・避妊や去勢手術のお話~

 

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