にゅうた動物病院コラム

犬の避妊手術とは~「本当に必要?」と迷う飼い主様へ~

犬の避妊手術とは~「本当に必要?」と迷う飼い主様へ~

犬の避妊手術は、将来の病気を防ぎ、生活の質を高めるための大切な処置です。一方で「本当に手術しないといけないの?」「痛い思いをさせるのはかわいそう…」と迷われるお気持ちは、当然のことだと思います。

今回は、避妊手術のメリット・デメリットをわかりやすくお伝えします。愛犬のために納得できる選択の参考になれば幸いです。

■目次
1. 犬の避妊手術とは
2. 発情期に起こりやすい変化と関連する病気
3. 避妊手術のメリット・デメリット
4. 病院選びのポイント
5. 当院での手術の流れと料金について
6. おわりに

 

1. 犬の避妊手術とは


避妊手術は、望まない妊娠を防ぐだけでなく、性ホルモンに関係する病気のリスクを下げる“予防医療”です。手術では卵巣、もしくは卵巣と子宮を摘出します。特に初回発情前(生後5〜6か月ごろ)に行うと、乳腺腫瘍の発症率が大幅に下がることが報告されています。

 

2. 発情期に起こりやすい変化と関連する病気


犬は生後8〜10か月頃になると性成熟を迎え、発情期に入ります。女の子の犬の場合、この時期には出血やホルモンの変化が見られ、落ち着きがなくなったり、食欲が落ちたりすることがあります。

また、発情中は未去勢の男の子の犬が反応してしまうこともあるため、散歩中のトラブルやストレスにも注意が必要です。

さらに、発情後には「偽妊娠」と呼ばれる状態になることがあります。これは妊娠していないのに、乳腺の張りや母性行動が見られる現象で、精神的にも身体的にも大きな負担がかかります。

こうしたホルモン変動は、次のような病気の引き金になることがあります。

乳腺腫瘍(約50%が悪性)
子宮蓄膿症
卵巣腫瘍
乳腺炎

これらは、避妊手術によって予防できる可能性があります。病気が進行してからの治療は、犬にとっても飼い主様にとっても負担が大きくなるため、将来的なリスクを考慮したうえで、予防的な選択として手術を検討する価値は十分にあります。

3. 避妊手術のメリット・デメリット


避妊手術には、将来の病気を予防できるという大きな利点がある一方で、デメリットもゼロではありません。どちらも正しく理解し、納得のうえで判断することが大切です。

<メリット>
・命に関わる病気(乳腺腫瘍・子宮蓄膿症など)の予防につながる
・発情期のストレスや行動変化が軽減される
・将来的な医療費の抑制につながる可能性がある
・災害時の避難同行がしやすくなる(自治体によって条件あり)

※たとえば環境省のガイドラインでは、繁殖を防ぐ目的で避妊・去勢手術が推奨されています。

<デメリット>
・ホルモンバランスの変化によって太りやすくなることがある
・全身麻酔を伴うため、リスクがゼロではない
・術後に一時的な体調の変化(元気がない、食欲不振など)が起こることがある
・一度手術を行うと、将来的に繁殖ができなくなる

「避妊しなければよかった」と感じるケースの多くは、こうした変化を事前に想定していなかったことが原因です。メリットとデメリットをあらかじめ把握し、ご家族でしっかり話し合うことで、後悔のない選択につなげていただければと思います。

 

4. 病院選びのポイント


避妊手術は将来の健康を守るための大切な予防医療ですが、全身麻酔を伴う外科処置である以上、身体への負担は少なからずあります。だからこそ、安心して手術を任せられる病院選びがとても重要です。

<信頼できる病院のチェックポイント>
術前検査(レントゲン・血液・凝固検査など)をしっかり行っている
術後の経過観察や相談に丁寧に対応してくれる
痛みへの配慮がなされ、術後もできるだけ快適に過ごせるように工夫されている

事前に不安な点を質問し、対応が丁寧かどうかを確認することも大切です。「どんな準備が必要か」「術後はどんな様子になるか」など、些細なことでも気軽に相談できる病院を選びましょう。

<にゅうた動物病院の安心ポイント>
にゅうた動物病院では、避妊手術をより安全に、そして飼い主様が安心して受けられるよう、以下のような取り組みを行っています。

糸を使わない避妊手術(Force Triad使用)
体内に残った糸が原因となる「縫合糸反応性肉芽腫」のリスクを減らすため、シーリングシステムという特殊な器具を使って手術を行っています。これにより、手術時間も短縮され、回復もスムーズになります。

術前検査を標準で実施
体調に問題がないかを事前にしっかり確認するため、レントゲンや血液検査、凝固系検査などを実施しています。万が一のリスクに備えた準備を欠かしません。

痛みへの配慮
手術中の麻酔や術後の鎮痛処置に力を入れ、犬の身体的ストレスをできるだけ抑えるように心がけています。

明瞭な料金設定
手術にかかる費用は、麻酔や検査、1泊入院などを含んだパッケージ料金でご案内しています。追加費用が発生しにくい明朗な設定で、安心してご相談いただけます。

 

5. 当院での手術の流れと料金について


手術を検討される際、具体的な流れや費用感を事前に知っておくと、安心してご準備いただけます。

<手術当日までの流れ>

①カウンセリング・術前検査
カウンセリングと術前検査で全身の状態を把握します。

②手術日の決定とご案内
日程を決め、前日の絶食・当日の絶水などについてご説明します。

③手術
安全に配慮し、基本的には1泊入院でのご案内となります。

術後の確認とご帰宅
術後の体調を確認後、ご帰宅いただきます。

<料金について>
当院では、体重に応じて、検査・麻酔・1泊入院を含めた36,850円(税込)〜のパッケージ料金を設定しております。健康状態により追加の対応が必要な場合には、事前に内容と費用をご案内いたします。

ご不明な点があれば、カウンセリング時にしっかりとご説明させていただきますので、お気軽にご相談ください。

⇒にゅうた動物病院の避妊手術について詳しくはこちらから

 

6. おわりに


「避妊すべきかどうか」――この選択に悩まれるのは、愛犬を大切に思っているからこそだと思います。

「かわいそう」「手術後に性格が変わるかも」といった不安を感じる飼い主様もいらっしゃるかもしれません。ですが、避妊手術によって将来的な病気のリスクを減らし、ストレスの少ない生活を送れるようにしてあげることは、愛犬の幸せにもつながると私たちは考えます。

「してよかった」と思える選択のためには、しっかり考え、納得できるまで相談することが大切です。にゅうた動物病院では、飼い主様の想いや迷いにも丁寧に寄り添いながら、その子にとって最善の選択肢を一緒に考えてまいります。気になることがあれば、どうぞいつでもご相談ください。

 

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