にゅうた動物病院コラム

犬の僧帽弁閉鎖不全症について|高齢の犬でよく見られる病気

犬の僧帽弁閉鎖不全症について|高齢の犬でよく見られる病気

犬が高齢になるとすぐに息が上がったり、咳をしたりすることがあります。もしかしたら、年をとって弱っているのではなく、僧帽弁閉鎖不全症が原因かもしれません。
今回は犬の僧帽弁閉鎖不全症について症状や原因、治療法などを解説します。

目次
1.よくみられる症状
2.原因
3.診断
4.治療について
5.日常の注意点や予防
6.最後に

1.よく見られる症状


発生初期では症状が見られないこともありますが、病気が進行するにつれて、乾いた咳が出る、運動時に疲れやすくなる、荒い呼吸をするといった症状が現れます。
また、お散歩の時間が短くなり積極的に体を動かそうとしなくなるほか、急に失神することもあります。

重度になると肺水腫を起こし、呼吸に重大な問題が生じてチアノーゼ(舌や唇が青くなったり、青紫色に変色したりすること)を招くこともあります。肺水腫を起こした場合、治療が遅れると命を落とす可能性もあるため、早急に治療を開始する必要があります。

 

2.原因


心臓の内部には4つの部屋(右心室、左心室、右心房、左心房)があり、その中の左心房と左心室の間にある弁(僧帽弁)が変性して正常に機能せず、血行の逆流が生じることで全身の循環不全を招きます。

僧帽弁閉鎖不全症は、犬に起こる心臓・血管系の病気の70%以上を占めるともいわれ、よく見られる病気です。

詳しい原因はわかっていませんが、遺伝や加齢が関わっていると考えられています。特に高齢の小型犬で発症するリスクが高く、特にキャバリア・キング・チャールズ・スパニエルやチワワは発生率が高いことが知られています

 

3.診断


診断方法は、聴診、X線検査、心電図検査、心エコー検査、にて心臓の状態を確認していきます。
検査で得られた心機能の評価と咳や呼吸困難などの全身症状から総合的に診断します。

また、症状が進行すると、膵炎や腎不全などの合併症を併発する可能性も増加するため、血液検査を行い腎臓の機能などの状態の評価をしていきます。

僧帽弁閉鎖不全症の診断は、様々な検査から総合的な判断をすることが、正確な診断につながります。

 

4.治療について


犬の僧帽弁閉鎖不全症の治療には内科治療と外科治療があります。

内科治療は薬を使用して、心拍数の安定化、不整脈の改善、血流の安定化など、心臓の負荷を取るようなアプローチをしていきます。当院では、症状の程度や病気の進行具合によって使用するお薬の種類や投与量を調整して、個々に適した治療をご提案します。

治療開始の時期が早すぎると、薬の効果を十分に発揮できないまま投薬を続けることになり、金銭的なご負担が大きくなっていってしまう可能性があります。また、治療時期が遅くても苦しく、肺水腫のリスクを抱えた危険な状態で生活しなければならなくなります。
そのため当院では、治療を始める適正なタイミングを見極めてご提案しています
他院から転院された方の中には、推奨されるよりも多くお薬を処方されている場合もあるため、治療計画の見直しという点でもお力になれると考えています

根治を目指すのであれば、外科治療で変性した僧帽弁の置き換えや修復を行う必要があります。しかし、実施可能な施設は限られていて、費用が高額であるというデメリットもあります。
当院では内科治療に力を入れていますが、手術に対応した二次診療施設への紹介も行っていますので、詳しくは知りたい方はご相談ください。

 

5.日常の注意点や予防


年齢を重ねるにつれて、先述したような症状が見られ、なかなか治まらないようであれば一度動物病院で検査を受けることをおすすめします。発生初期では症状が見られない場合もあるため、健康診断で定期的にご来院いただくと、早期発見にもつながります。

当院の健康診断についてはこちらの記事でも解説しています。
定期的な健康診断①
定期的な健康診断②「身体検査について」
定期的な健康診断③「血液検査について」
定期的な健康診断④画像検査(レントゲン検査・エコー検査)


また、心臓や呼吸器からの問題を確認するために安静時の呼吸数にも注目してみましょう。1分間の呼吸数が30回を超えると、呼吸がしづらくなっている可能性が考えられます。
何か愛犬の様子で気になることがありましたら、お気軽に獣医師までお尋ねください。

 

6.最後に


僧帽弁閉鎖不全症は犬の心臓病の中で最も発生率が高い病気です。きちんとした診断と適切な治療計画によって、一定の期間は体に負担をかけずに、QOL(生活の質)を保ったまま過ごすことができます。
ご家族の方と動物病院が連携して個々に適した治療を行いながら、極力心臓に負担をかけずに生活できるようお手伝いができればと考えていますので、どんな些細なことも当院までご相談ください。

 

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