にゅうた動物病院コラム

猫の避妊手術とは?|~女の子の猫ちゃんを迎える飼い主様へ~

猫の避妊手術とは?|~女の子の猫ちゃんを迎える飼い主様へ~

「避妊手術ってなんだかかわいそう…」「まだ小さいのに、本当にやる必要があるの?」
そんなふうに、不安や疑問を抱かれる飼い主様もいらっしゃるかもしれません。
特に、はじめて猫を迎えた方にとっては、避妊手術はわからないことも多く、不安に感じるのは自然なことです。

だからこそ、避妊手術について正しい情報を知っておくことプレビュー (新しいタブで開く)が、これからの愛猫との暮らしにとって大切な第一歩になります。

今回は、にゅうた動物病院の視点から、避妊手術の適切な時期や手術の流れ、メリット・デメリットまでをわかりやすく解説します。

■目次
1.猫の発情と妊娠のしくみ
2.避妊手術のメリット
3.避妊手術のデメリットと注意点
4.手術の流れと費用について
5.当院の手術の特徴
6.おわりに

 

1.猫の発情と妊娠のしくみ


猫は、生後6ヶ月頃から性成熟を迎え、体重が2〜2.5kgを超えるころから発情の兆候が見られるようになります。この時期には個体差がありますが、成長とともに、体が自然と繁殖の準備を始める時期に入っていきます。

本来、猫の発情は春先から夏にかけてに集中する傾向があります。
しかし、室内で暮らしている猫は、照明や暖房などの生活環境の影響を受けるため、季節に関係なく発情を繰り返すこともあります。
一般的には2〜3週間おきに「発情 → 休止期 → 再び発情」といったサイクルを繰り返します。

 

<発情中によく見られるサイン>

・大きな声で鳴く(特に夜間に多く見られます)
・床を転げ回るような動き、体や頭をこすりつける
・尻尾を横にずらして、お尻を突き出すポーズをとる
・トイレ以外の場所で排尿してしまう
・落ち着きがなくなり、外に出たがる様子を見せる

これらの行動は、一見すると「問題行動」のように思えるかもしれませんが、発情期に見られる自然な本能による反応ですので、しつけでやめさせることはできません
こうした状態が続くと猫にとっても大きなストレスとなるため、発情が始まる前に避妊手術を検討することがすすめられます。

猫の発情期について詳しくはこちらで解説しています

 

2.避妊手術のメリット


避妊手術には、妊娠を防ぐこと以外にも多くのメリットがあり、特に健康面や将来のリスクを考えるうえで大切な選択肢のひとつです。
愛猫が安心して長く暮らしていくために、避妊手術には以下のような効果が期待できます。

 

乳腺腫瘍の予防
猫の乳腺腫瘍は、約90%が悪性(がん)といわれています。
避妊手術を早期に行うことで、乳腺腫瘍を高い確率で予防することができます。

特に大切なのは、避妊手術を受ける「時期」です。
生後6か月齢頃までを目安に避妊手術を行うと、高い予防効果が期待できます。
反対に、1歳(生後13ヶ月)を過ぎてからの手術では予防効果が大きく下がってしまうため、タイミングを逃さず受けることが大切です。

 

子宮や卵巣の病気を防ぐ
子宮蓄膿症や卵巣腫瘍といった、命に関わる病気の予防につながります。

 

発情期に見られる行動の軽減
大きな鳴き声や落ち着きのなさ、トイレ以外での排尿(そそう)といった行動が、避妊手術によって落ち着くことがあります。

 

妊娠・出産に伴うリスクを避けられる
妊娠や出産は体力を大きく消耗するうえ、医療的なサポートが必要になるケースもあります。避妊手術によって、これらの負担を回避できます。

 

将来的な医療費の軽減につながる
予防できる病気を防ぐことは、将来的な治療費の削減にもつながります。

 

不幸な命を増やさない
望まない妊娠を防ぐことは、多頭飼育崩壊や飼育放棄といった社会的な問題の予防にもつながります。

 

3.避妊手術のデメリットと注意点


避妊手術には多くのメリットがある一方で、いくつか注意しておきたい点もあります。
とはいえ、あらかじめ知っておくことで、落ち着いて対応できることばかりですのでご安心ください。

 

<全身麻酔に関する不安について>
避妊手術では、全身麻酔が必要になります。
当院では、人の医療でも使用されている、安全性の高い麻酔薬を採用しており、特別な体質や持病がない限り、麻酔によるリスクは非常に低いとされています。

それでも、万が一に備えることはとても大切です。
そのため、当院ではすべての猫に対して、術前に血液検査とレントゲン検査を実施し、全身の健康状態をしっかり確認したうえで手術を行っています。
※これらの検査費用は、手術料金に含まれています。

 

<術後の体重管理について>
避妊手術を受けた猫は、ホルモンバランスの変化により、太りやすくなることがあります。
これは、手術後にエネルギーの消費量が減る一方で、食欲が増す傾向があるためです。

とはいえ、体重管理は難しいことではありません。
以下のような工夫で、無理なく健康的な体型を保つことが可能です。

・手術後は、成猫用フードから避妊・去勢後用のフードに切り替える
ごはんの量やカロリーを調整する
・おもちゃや遊びを通じて、日々の運動量をしっかり確保する

また、必要に応じて食事内容や運動の工夫についても個別にアドバイスいたしますので、術後も安心してお過ごしいただけます。

 

4.手術の流れと費用について


当院では、飼い主様と猫が安心して手術を受けられるように、事前のご説明と術後のサポートを大切にしています。
避妊手術は、以下のような流れで進めてまいります。

 

カウンセリング(手術日とは別日)
まずは一度ご来院いただき、手術のメリットやデメリット、注意点などを丁寧にご説明いたします。
ご不安なことがあれば、どんなことでも遠慮なくお尋ねください。

 

術前診察(手術日より前に実施)
安全に麻酔・手術を行うため、手術日までに血液検査やレントゲン検査を行い、全身の健康状態を確認します。
術前検査の結果に問題がなければ、手術日のご予約をお取りします。

 

手術(原則1泊入院)
基本的に1泊入院で対応いたします。
手術中は、麻酔管理やモニタリングを徹底し、安全に配慮した環境で実施します。

 

術後管理
必要に応じて、痛み止めの処方術後服の着用など、術後のケアもきちんとサポートいたします。

 

術後の再診・抜糸
手術後は、術後10日前後を目安に再診にお越しいただき、傷の状態や体調を確認します。
経過が良好であれば、この再診で治療は終了となります。

 

<手術費用について>
猫の避妊手術の料金は29,150円(税込)です。
この料金には、以下の内容がすべて含まれています。

・術前の血液検査・レントゲン検査
・麻酔管理
・手術費用
・1泊入院(必要な場合)

 

5.当院の手術の特徴


にゅうた動物病院では、猫の体への負担をできるだけ軽くし、飼い主様にも安心して手術を受けていただけるよう、以下のような取り組みを行っています。

 

縫合糸を使わない手術
当院では、縫合糸によるアレルギー反応や炎症(縫合糸反応性肉芽腫)を防ぐために、腹腔内に縫合糸を使わない手術方法を採用しています。
これにより、術後のトラブルを最小限に抑え、よりスムーズな回復を目指しています。

 

痛みに配慮した手術と術後ケア
術中・術後の痛みをできるだけ軽減することを大切にし、猫が安心して回復できるよう配慮しています。
手術方法はなるべく痛みを少なくするように配慮し、術後も必要に応じて痛み止めを使いながら、適切な疼痛管理を行います。

 

丁寧なカウンセリングとご説明
はじめて手術を受ける際には、不安を感じるのは当然のことです。
当院では、術前のカウンセリングを大切にしており、どんな小さなご不安や疑問にも丁寧にお答えしています
ご不明な点がありましたら、どうぞ遠慮なくおたずねください。

 

6.おわりに


避妊手術は、愛猫と飼い主様がこれからも健やかに、安心して一緒に過ごしていくための大切な選択肢のひとつです。
「まだ早いかな?」「本当に必要なのかな?」と迷われた際には、どうぞお気軽にご相談ください。

にゅうた動物病院では、愛猫の体調やご家庭での暮らしに合わせて、無理のない最適なタイミングと方法をご提案しています。
飼い主様と一緒に、愛猫にとって最善の選択ができるよう、心を込めてお手伝いいたします。

 

■当院の避妊・去勢手術に関する記事はこちらから
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