にゅうた動物病院コラム

犬や猫の皮膚病のケアについて|自宅でできる皮膚病ケア

犬や猫の皮膚病のケアについて|自宅でできる皮膚病ケア

犬や猫に多い病気の1つが皮膚病です。当院にも、長引くかゆみなどの症状でお悩みの方がたくさんいらっしゃいます。
皮膚病は動物病院での治療だけでなく、ご家庭でのケアも大切です。そのため、薬用シャンプーや保湿剤、外用薬の使用方法をよく理解しておくことが必要です。

今回は、ご家庭で犬や猫の皮膚や被毛をケアする際に注意すべきポイントや、シャンプーの方法について解説します。

 

■目次
1.皮膚病の症状と早期発見の重要性
2.犬の効果的な薬用シャンプーの使用方法
3.皮膚を保護する保湿剤の使用法
4.外用薬の上手な使用法
5.日常的なスキンケア習慣
6.まとめ

 

1. 皮膚病の症状と早期発見の重要性


皮膚病にかかると、一般的に以下のような症状が現れます。

・かゆみが現れる
・皮膚が赤くなる
・不快なニオイがする
・毛が抜ける
・カサブタ(痂皮)ができる
・フケ(鱗屑)が出る
・引っかき傷ができ、出血する
・皮膚がべたつく
・皮膚が黒ずむ(色素沈着)

愛犬や愛猫が耳をカリカリと引っかいたり、手足やおしりをかじったりしている場合、注意が必要です。
一時的なものであれば問題ありませんが、こうした行動が何日も続くようであれば、動物病院で診てもらいましょう

 

2. 犬の効果的な薬用シャンプーの使用方法


<頻度>

皮膚病の症状や使用するシャンプー剤によって異なりますが、薬用シャンプーは一般的なシャンプーよりも頻繁に使用する必要があります。目安としては週に1〜2回ほどです。

 

<準備するもの>

シャンプーを始める前に以下のものを準備しておきましょう。

・シャンプー剤
・ブラシ
・泡立て用スポンジ(ネット)
・吸水タオル
・ドライヤー
・保湿剤

 

<手順>

①ブラッシングをする
被毛の絡まりや抜け毛を取り除くために、シャンプー前にしっかりとブラッシングをします。

②濡らす
37℃〜38℃程度のぬるま湯で全体をしっかりと濡らします。お湯をかける際は、まず足先から始め、その後お尻、内股、背中、胸の順に濡らしていきます。

③シャンプー剤を泡立てる
シャンプー剤をよく泡立ててから犬の体に塗布します。

④洗う
優しくマッサージするように全身を洗います。特に内股は汚れがたまりやすいので、しっかりと洗いましょう。背中や胸などの広い部分はラバーブラシを使って泡立てながら洗うと効果的です。
シャンプーの成分を皮膚に浸透させるため、泡を5〜10分ほど置いておくとよいでしょう。

⑤しっかりすすぐ
体全体が洗い終わったら、首元から下に向かってお湯でしっかりとすすぎます。シャンプーが残らないように注意しましょう。

⑥水分を拭き取り、乾かす
シャンプー後は吸水タオルでしっかりと体を拭き、ドライヤーでの乾燥が短時間で済むようにしましょう。ドライヤーは少し遠ざけて当て、熱によるダメージを防ぎましょう。

また、効果を最大限に引き出すために、使用前に製品の使用方法をよく確認することをお勧めします。

 

3. 皮膚を保護する保湿剤の使用法


皮膚病によって皮膚が乾燥している場合やシャンプー後には、保湿剤を使ってうるおいを保つことが大切です。市販の保湿剤には、クリーム、ローション、乳液、ジェル、泡、スプレーなどさまざまなタイプがありますので、愛犬や愛猫に合ったものを選ぶとよいでしょう。

もしどれを選べばよいか迷った場合は、製品の成分を確認することをお勧めします。特に、天然由来のセラミドやヒアルロン酸などの保湿成分が含まれているもの、そしてアルコールなどの皮膚に刺激を与える成分は含まれていないものを選ぶと安心です。

皮膚が健康な状態であればシャンプー後の使用だけでも十分ですが、皮膚病で皮膚が乾燥している場合には、1日1回の使用が推奨されます。その際、塗った部分を舐めてしまうことがあるかもしれませんので、エリザベスカラーの着用もご検討ください。

 

4. 外用薬の上手な使用法


外用薬とは、皮膚や粘膜に直接塗ったり貼ったりする薬のことで、皮膚病の治療には軟膏、クリーム、ローションなどが使われます。犬や猫は全身が毛で覆われているため、外用薬を塗る際には毛をかき分け、しっかりと皮膚に塗ることが大切です。

基本的には飼い主様がご自宅で薬を塗ることになりますが、獣医師の指示に従って使用頻度や期間をしっかり守ることが大切です。これを守ることで、皮膚が薄くなったり、毛が抜けたりする副作用のリスクを減らすことができます。

また、薬には動物との相性もあるため、指示通りに使っても効果があまり感じられない場合や、逆に効きすぎて副作用が出ることもあります。そのような場合は、早めに獣医師までご相談ください。

 

5. 日常的なスキンケア習慣


日常的にご家庭で行うスキンケアのひとつに、ブラッシングがあります。ブラッシングは余分な毛を取り除くだけでなく、愛犬や愛猫とのスキンシップの時間としても大切ですし、皮膚や被毛の状態を観察するためにも重要なケアです。
ブラッシングの際には、以下のポイントをチェックしてみましょう。

・ダニやシラミなどの寄生虫がついていないか
・抜け毛の量が増えていないか
・皮膚にしこりがないか

 

6. まとめ


皮膚病の治療は長期間にわたることが多いため、しっかり治すためにはご家庭での日常的なケアが欠かせません。
また、獣医師と緊密に連携をとることで、最適な治療薬の選択や変更、治療頻度の設定もスムーズに行えます。「うちの犬・猫にはどんな製品が合っているのかわからない」「うまくケアできない」「なかなか治らない」といったご不安がございましたら、どうぞお気軽に当院の獣医師までご相談ください。

 

■関連する記事はこちらで解説しています
犬と猫のアトピー性皮膚炎について|かゆみで苦しむ愛犬・愛猫のために
犬と猫のノミアレルギー性皮膚炎について|痒みと炎症の正体とは?
愛猫の皮膚のかゆみについて|放っておくと大変なことになるかも?
愛犬の皮膚のかゆみについて|実はこんな病気が隠れているかも?

 

にゅうた動物病院|相模原市 相模大野・東林間の動物病院
診療内容についてはこちらから

  • にゅうた動物病院コラム
  • ブログ
  • 公式インスタグラム
  • LINE
  • 動物ナビ
トップに戻る