にゅうた動物病院コラム

犬と猫のアレルギー検査について|皮膚のかゆみ・嘔吐…愛犬・愛猫の症状の原因は?

犬と猫のアレルギー検査について|皮膚のかゆみ・嘔吐…愛犬・愛猫の症状の原因は?

私たち人間と同じように、犬や猫もアレルギーを起こすことがあります。よくある症状は皮膚のかゆみや赤み、嘔吐、下痢などですが、こうした症状は他の病気でも現れるので、正確な診断がとても重要です。その際に利用されるのが、アレルギー検査です。

今回は、当院で実施している犬や猫のアレルギー検査の内容と、その重要性について詳しくご紹介します。

■目次
1.アレルギー検査の種類
2.除去食試験について
3.アレルギー検査が必要なシチュエーション
4.アレルギー検査の費用
5.アレルギー検査のメリット
6.まとめ

 

1.アレルギー検査の種類


アレルギー検査には、以下のような種類があります。

<IgE抗体検査>

採血を行い、血液中のアレルゲンに特異的な免疫グロブリンE(IgE)を測定することで、アレルギーの原因を推測します。
検査は外部の専門機関で行われるため、結果が出るまでに約1週間ほどお時間を頂きます。


<リンパ球反応試験>

採血を行い、食物アレルゲンに反応するリンパ球を検出することで、どの食物がアレルギーの原因となっているかを特定する手がかりになります。ただし、こちらの検査は猫には適用できません。
検査は外部の検査機関で行うため、結果が出るまでに約2週間ほどお待ちいただきます。

これ以外にも、皮内反応検査という方法を用いることもあります。

 

2.除去食試験について


食物アレルギーが疑われる場合、アレルギー検査だけでなく、除去食試験も非常に大切です。この試験では、アレルゲンになりそうな食材をすべて取り除いた特別なフードを与え、アレルギー反応が出ないかどうかを確認します。
通常はアレルギー検査の前に行うことが多く、正確に効果を判断するためには、最低でも4週間、できれば8週間、その除去食を続ける必要があります。

 

3.アレルギー検査が必要なシチュエーション


アレルギーを持つ犬や猫には、さまざまな症状が現れることがあります。

<皮膚>

皮膚のかゆみや赤みが長引き、特に顔の周りや手足の先に見られることが多いです。また、耳を頻繁にかゆがる場合もアレルギーのサインかもしれません。


<消化器>

下痢や嘔吐が続く場合も要注意です。特に、食後1時間以内に嘔吐する、あるいは1日に3回以上の下痢をする場合は、食物アレルギーの可能性があります。


<呼吸器>

くしゃみや鼻水、咳が長引く場合、ダニや花粉などの環境中のアレルゲンが原因であることが考えられます。季節によって症状が現れることが特徴です。

このような症状が見られた場合、アレルギーの可能性があるため、アレルギー検査を受けることをお勧めします。

 

4.アレルギー検査の費用


症状に応じて、適切な検査項目を組み合わせて行います。
費用は13,000円から52,000円の範囲になります。

 

5.アレルギー検査のメリット


アレルギー検査には以下のようなメリットがあります。

<早期発見・早期治療>

皮膚や消化器、呼吸器の症状は、さまざまな病気が原因で現れることがあります。そのため、他の病気を除外しながら原因を特定することが重要です。
アレルギー検査でアレルゲンを特定できれば、除去食療法などの治療を早く始めることができ、結果として早期発見と早期治療につながります。


<QOL(生活の質)の向上>

かゆみなどの症状は命に直接かかわるものではありませんが、動物にとっては大きなストレスとなり、生活の質を損なう原因になります。
アレルギー検査を通じて最適な治療法を見つけることで、QOLを向上させることが期待できます。


<長期的な医療費の削減>

症状の原因がわからないとその場しのぎの治療を続けるしかなく、結果的に医療費が長期間にわたってかかってしまうことがあります。
アレルギー検査で原因を明らかにすることで、無駄な医療費を抑えることができます。

 

6.まとめ


アレルギー検査は、愛犬や愛猫にとってどのアレルゲンが問題になっているかを特定するために非常に有効な手段です。しかし、すべてのアレルゲンをカバーできるわけではないため、検査結果が必ずしも原因を明らかにするとは限りません。特定できない場合もあるため、その結果を踏まえて飼い主様と一緒にどのように治療に活かすかを考えることが大切だと考えています。

また、アレルギー検査では、どの食材やハウスダストにアレルギー反応があるかを知ることができるだけでなく、逆にどのアレルゲンに反応しないかもわかります。これにより、治療を進める際の方針を明確にし、飼い主様にも納得いただける治療計画を立てることができます。

アレルギーによる症状は、長引くことで犬や猫の生活の質(QOL)を低下させてしまうことがあります。もしも今回ご紹介したような症状が見られたら、まずは当院にご相談ください。
アレルギー以外の原因を確認し、愛犬や愛猫に合った最適な治療法をご提案させていただきます。

 

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