にゅうた動物病院コラム

愛猫の皮膚のかゆみについて|放っておくと大変なことになるかも?

愛猫の皮膚のかゆみについて|放っておくと大変なことになるかも?

以前の記事では、愛犬の皮膚のかゆみに関する話題をご紹介しましたが、犬と猫ではかゆみを覚えたときの行動や原因となる病気に違いが見られます。

今回は猫を飼育されている飼い主様に向けて、皮膚のかゆみがなぜ起こるのか、かゆいときにどういった症状が見られるのかを中心にお話します。



■目次
1.猫がかゆいときにみせる行動
2.猫がかゆみを感じているときに現れる症状
3.かゆみの原因になる病気
4.診断
5.治療
6.まとめ

 

1.猫がかゆいときにみせる行動


猫がかゆみを感じたときの行動は犬とは異なり、足で引っ掻くよりも自分の体を舐める様子がよく見られます
これは、猫の尖った爪は普段内側にしまわれていること、猫の舌が犬よりもザラザラとしていること、舐めることで日常的に毛並みを整えていること、などが理由として考えられます。

 

2.猫がかゆみを感じているときに現れる症状


猫がかゆみを感じると、しきりに舐める行動を取りますが、これが過剰になると「舐め壊し(舐性皮膚炎)」という状態を引き起こすことがあります。
舐め壊しになると、以下のような症状が現れます。

皮膚が赤くなる
傷になる
毛が短くなる

当院では、おなかに傷ができたという理由で来院されるケースもありました。こうした状態が続くと、皮膚から血が出たり傷口から細菌が侵入したりする危険性もあります。舐め壊しを見つけたら、早めにご相談ください。

 

3.かゆみの原因になる病気


基本的には犬と同様ですが、家にお迎えしたばかりの猫はノミや真菌(カビ)による皮膚病が多いことが特徴的です。
また、アレルギー性皮膚炎や猫アトピー性皮膚症候群といった自己の免疫の異常による皮膚病にも頻繁に遭遇します。

愛犬の皮膚のかゆみについてはこちらで解説しています

 

4.診断


犬と同様にまずは問診で、どこがかゆいのか、いつからかゆいのか、他に病気にかかったことはないか、などをお聞きし、疑わしい病気を絞り込んでいきます。
その後、問診の結果に応じて以下のような検査を進めていきます。

抜毛検査:顕微鏡で毛を観察し、寄生虫の有無を確認します。
セロハンテープ試験皮膚の細胞や分泌物を顕微鏡で観察し、細菌や寄生虫、真菌などを検出します。
ウッド灯検査特定の波長の紫外線を使用して、皮膚糸状菌症の診断を行います。
皮膚掻爬検査(スクレイピング検査)皮膚を専用の器具で掻き取り、顕微鏡で観察し、寄生虫などを検出します。
真菌培養検査:真菌(カビ)の検出や、菌種を特定する検査です。
皮膚病理検査皮膚の一部を採取し、組織学的に検査します。

 

5.治療


治療は飲み薬になることが多いです。
猫における治療で一般的に用いられるのは以下のようなものがあります。

抗生物質細菌感染症の治療に使用されます。
抗真菌薬真菌感染症の治療に使用されます。
駆除薬ノミ、マダニ、ニキビダニ、疥癬、シラミ等に対して使います。
抗アレルギー薬アレルギー反応を抑えるために使用されます。
ステロイド炎症を抑えるために使用されます。

猫は犬とくらべて食べ物の好みが極端で、食事を変えることは難しい動物ですが、変えることができるのであれば食事内容の見直しをご提案することもあります。

また犬と違って、薬浴はあまり実施されません。これは、猫が水や他の外的要因に非常に敏感であり、そのような治療が逆にストレスを増加させてしまう可能性があるからです。

 

6.まとめ


かゆみそのものは命に直接関わるような症状ではありませんが、それが原因で猫のQOL(生活の質)を大きく下げることになり得ます。
より快適で健康的な暮らしを続けるために、症状が軽くても早めに動物病院での相談をお勧めします。
猫のかゆみや皮膚の問題でお悩みの際は、どうぞお気軽にご相談ください。

 

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